qG7FL

図3に示すエレベーターでは、ワイヤーロープをモーターで動かして質量 M のかごを昇降させる。ワイヤーロープは滑らないようにモーターに巻き付けてあり、他端にはモーターの負担を軽減するために質量 m のおもりを取り付けてある。ただし、ワイヤーロープは質量が無視でき、たるまないものとする。また、重力加速度の大きさを g とする。

図 3

(問3)かごが上向きの加速度 a で上昇しているとき、かごをつるワイヤーロープの張力 T1 とおもりをつるワイヤーロープの張力 T2 は、それぞれいくらか。

(問4)qG7FM

(問5)qG7FN

#センター07追試

この問題は、『糸でつながれた物体』項で示したアトウッドの器械とは別物ですので注意してください。モーターの駆動力を使うので、重力の力だけがはたらいているわけでもありませんし、ロープはモーターに巻き付けてあるので T1T2 は等しくありません。

加速度は共通です。かごが上向きに a で加速しているならば、おもりは下向きに a で加速しています。

かごとおもりにはたらく力を書き出すと左図のようになります。

かご、おもり、それぞれについての運動方程式を立てます。

(かごの運動方程式)
上向きを正としまして、

    Ma = T1 - Mg

 ∴  T1 = Mg + Ma

 ∴  T1 = M(g + a)

(おもりの運動方程式)
下向きを正としまして、

    ma = mg - T2

 ∴  T2 = mg - ma

 ∴  T2 = m(g - a)

 

(余談)
もし、a = g としますと(9.8m/s2 で引っ張り上げるということ)、

T1 = 2Mg となり、張力はかごの重さの2倍となります。

また、T2 = 0 となり、おもりは自由落下状態で落ちていきます。ワイヤーロープはわずかにたるみます。

もし、a = 1.1g としますと T2 = - 0.1mg となり、張力は負の値をとるはずがなく、これはおかしいです。問題文にも「たるまない」とありますし、つまり、ag ということがいえます。