qH3DD

図2のように、長さがそれぞれ l で、質量が 2mm の細い一様な棒を接合した。このようにして作った棒の両端をA、Bとする。

図 2

(問3)棒ABの重心をGとするとき、AGの距離 l1 を式で表わせ。

(問4)図3のように、棒ABの両端に軽い糸をつけ、糸が鉛直に、棒が水平になるように天井につるした。端Aにつけた糸の張力の大きさ TA と、端Bにつけた糸の張力の大きさ TB の比 \(\large{\frac{T_\rm{A}}{T_\rm{B}}}\) を表す式として正しいものを、下の①~⑤のうちから一つ選べ。

図 3

① 1  ② \(\large{\frac{l_1}{2l}}\)  ③ \(\large{\frac{2l}{\ l_1}}\)  ④ \(\large{\frac{l_1}{2l-l_1}}\)  ⑤ \(\large{\frac{2l-l_1}{l_1}}\)  

#センター14本試

(問3)
質量 2m の一様な棒の重心はその真ん中で、

質量 m の一様な棒の重心もその真ん中です。

2物体の重心の位置の式(xG = \(\large{\frac{m_1x_1\ +\ m_2x_2}{m_1\ +\ m_2}}\))を立てますと、

    l1 = \(\large{\frac{2m\frac{l}{2}+m\frac{3l}{2}}{2m+m}}\) = \(\large{\frac{2\frac{l}{2}+\frac{3l}{2}}{2+1}}\) = \(\large{\frac{\frac{5l}{2}}{3}}\) = \(\large{\frac{5}{6}}\)l

 

(暗算で考える場合は)
重心の位置は質量の逆比、と考えて、\(\large{\frac{5}{6}}\)l と導き出します。


 

 

(問4)
重力加速度の大きさを g としますと、棒に掛かる力は TATB 、3mg の3つです。いま、棒が静止しているということはこれらの力のモーメントの和が 0 になっている(つり合っている)ということだから、(qGACHqG931参照。右回りを正として)

    TA×l1 - TB×(2l - l1) + 3mg×0 = 0

 ∴  TA×l1 = TB×(2l - l1)

 ∴  \(\large{\frac{T_\rm{A}}{T_\rm{B}}}\) = \(\large{\frac{2l-l_1}{l_1}}\)

答は

 

l1 = \(\large{\frac{5}{6}}\)l を代入してみますと)

    \(\large{\frac{T_\rm{A}}{T_\rm{B}}}\) = \(\large{\frac{2l-\frac{5}{6}l}{\frac{5}{6}l}}\) = \(\large{\frac{\frac{12}{6}l-\frac{5}{6}l}{\frac{5}{6}l}}\) = \(\large{\frac{12-5}{5}}\) = \(\large{\frac{7}{5}}\)

 

(暗算で考える場合は)
力の大きさは重心からの距離の逆比、と考えて \(\large{\frac{T_\rm{A}}{T_\rm{B}}}\) = \(\large{\frac{7}{5}}\) と導き出します。