qGACH

図1のように、自然の長さが同じばねA(ばね定数 k)とばねB(ばね定数 K)を間隔 L で水平な天井からつり下げ、ばねの下端に長さ L の棒を取り付けた。この棒が水平に保たれるように、棒上の点Pに糸で質量 m のおもりをつり下げたところ、二つのばねは同じ長さ d だけ伸びて静止した。ただし、ばね、棒および糸の質量は無視できるものとする。

図 1

(問1)qGACF

(問2)qGACG

(問3)おもりをつり下げた点Pは、棒の左端(ばねAの側)からどれだけの距離であったか。

#センター09本試

棒は静止しているので、剛体にはたらく力のつり合いの条件

  \(\vec{F}_1\) + \(\vec{F}_2\) + \(\vec{F}_3\) + … = 0 ……①

  M1 + M2 + M3 + … = 0 ……②

が成り立っています。①は(問1)qGACF のことです。(問3)で問われているのは②です。②式により点Pの位置が特定できます。

求める距離を x 、右回りを正、点Pを中心として②式を立てますと、

  kd×x + mg×0 - Kd×(L - x) = 0

∴ kdx - KdL + Kdx = 0

∴ kx - KL + Kx = 0

∴ (k + K)x = KL

∴ x = \(\large{\frac{K}{k+K}}\)L

 

(余談)
点Pの左側の長さと点Pの右側の長さの比は

    x : (L - x) = \(\large{\frac{K}{k+K}}\)L : (L - \(\large{\frac{K}{k+K}}\)L)

         = \(\large{\frac{K}{k+K}}\) : (1 - \(\large{\frac{K}{k+K}}\))

         = \(\large{\frac{K}{k+K}}\) : (\(\large{\frac{k+K}{k+K}}\) - \(\large{\frac{K}{k+K}}\))

         = \(\large{\frac{K}{k+K}}\) : \(\large{\frac{k}{k+K}}\)

         = K : k

であり、点Pの位置はばね定数の逆比であり強いばねの方に寄ります。