ばね定数が k のばねS1、S2と、質量がそれぞれ m、 M のおもりA1、A2を用意し、図1のように連結して、天井から鉛直につり下げ、静止させた。このとき、S1、S2の自然の長さからの伸びは、それぞれ x1 、x2 であった。ただし、 M > m とし、ばねの質量は無視できるものとする。また、重力加速度の大きさ を g とする。
(問1)x1 、x2 を式で表せ。
(問2)次に、図1のPの位置でばねS2をA2とともに静かに切り離したところ、A1が鉛直上方に運動し始めた。ばねS1が自然の長さになったときのA1の速さを x1 を用いて表せ。
#センター11本試
(問1)
おもりA2には Mg の重力が掛かっています。
ばねS2は、それと同じ力でおもりA2を引っ張り上げています。静止しているということは上向きの力の大きさと下向きの力の大きさが同じということです。
そして、
おもりA1は Mg の力で下に引っ張られると同時に、
mg の重力がはたらいています。
そして、ばねS1は同じ力で引っ張り上げています。Mg + mg の力です。
(その他の点における力について)
A1 はS2 を Mg の力で引っ張り上げています。
天井には Mg + mg の力が掛かっています。
天井は Mg + mg の力で引っ張り上げています。
『力のつり合い』項、『作用反作用の法則』項をよく読んでご確認ください。
というわけで、
ばねS2に関するフックの法則の式を立てますと、
Mg = kx2
∴ x2 = \(\large{\frac{Mg}{k}}\)
ばねS1に関するフックの法則の式を立てますと、
mg + Mg = kx1
∴ x1 = \(\large{\frac{(m+M)g}{k}}\)
(問2)
求める速さを v と置きます。
切り離した瞬間の力学的エネルギーは
(運動エネルギー)+(位置エネルギー)+(弾性エネルギー)
= ( 0 )+( 0 )+( \(\large{\frac{1}{2}}\)kx12 ) ……①
自然の長さになった瞬間の力学的エネルギーは
(運動エネルギー)+(位置エネルギー)+(弾性エネルギー)
= ( \(\large{\frac{1}{2}}\)mv2 )+( mgx1 )+( 0 ) ……②
力学的エネルギー保存の法則により ① = ② であるから、
\(\large{\frac{1}{2}}\)kx12 = \(\large{\frac{1}{2}}\)mv2 + mgx1
∴ kx12 = mv2 + 2mgx1
∴ mv2 = kx12 - 2mgx1
∴ v2 = \(\large{\frac{k}{m}}\)x12 - 2gx1
∴ v = \(\sqrt{\frac{k}{m}{x_1}^2-2gx_1}\)