図3のように、軽い糸でつながった、質量 M の物体Aと質量 m の物体Bが、なめらかな水平面上に置かれている。物体Aに一定の大きさ F の力を水平方向に加え、全体を等加速度運動させる。ただし、糸は水平であるものとする。
(問3)物体Aと物体Bをつなぐ糸の張力の大きさを式で表わせ。
(問4)運動中のある時刻における物体Aと物体Bの運動エネルギー EA と EB の比 \(\large{\frac{E_A}{E_B}}\) を式で表わせ。
#センター17本試物理基礎
(問3)
張力を T と置きます。張力はどこもかしこも同じ大きさなので物体Aに掛かる張力と物体Bに掛かる張力は同じ大きさです。
また、加速度を a と置きますと、これも物体Aと物体Bで共通です。糸でつながっているのですから。
物体A、物体B全体の運動方程式を立てますと、
(M + m)a = F……①
物体Aの運動方程式を立てますと、
Ma = F - T ……②
物体Bの運動方程式を立てますと、
ma = T ……③
3つの式のうちどれか2つを使うと a が消去できます。一番計算が楽なのは③式を①式に代入する方法です。
③式を変形して、
a = \(\large{\frac{T}{m}}\)
①式に代入して、
(M + m)\(\large{\frac{T}{m}}\) = F
∴ T = \(\large{\frac{m}{M+m}}\)F
(問4)
張力や加速度が共通であると上で説明しましたが、速度も共通です。加えられる力が F 以外に無いのなら、物体Aと物体Bが別々の加速度あるいは速度で運動することはありえません。
速度を v と置きますと、
物体Aの運動エネルギーは
EA = \(\large{\frac{1}{2}}\)Mv2
物体Bの運動エネルギーは
EB = \(\large{\frac{1}{2}}\)mv2
よって、
\(\large{\frac{E_A}{E_B}}\) = \(\large{\frac{M}{m}}\)