慣性系⋅非慣性系

慣性系⋅非慣性系

慣性系、非慣性系という言葉は大学物理で出てくる言葉で、高校生は覚える必要は無いのですが、物理の本やWEBサイト等で頻出する言葉なので簡単に説明しておきます。




Aさんから見た世界は非慣性系です。
Bさんから見た世界も非慣性系です。
Cさんから見た世界は慣性系です。非慣性系と間違いやすいですが、慣性系です。
Dさんから見た世界は慣性系です。

Aさんから見た物体aは静止しています。
Bさんから見た物体bも静止しています。
Cさん、Dさんから見た物体a、物体bは加速しています。
Aさん、Bさんから見た物体c、物体dも加速しています。
(Dさんから見た物体cは加速してません。相対位置が変化してますが加速してません。慣れないうちは間違いやすいです。)

運動の第1法則(慣性の法則)や運動の第2法則ma = F)が成り立つ座標系を慣性系といいます。成り立たない座標系を非慣性系といいます。「座標」というのは物理という意味で、「系」は領域あるいは世界という意味です。「生態系」といったら、生物のありさまの領域、世界という意味です。非慣性系で運動方程式を立てるには慣性力を導入する必要があります。

Bさんから見た物体bは静止していますが、物体bは力(F)を受けて加速(a)しています。慣性の法則が成り立っていません。Bさんから見た物体dは加速しています。力を受けてないはずの物体dが加速しているのです。Bさんから見た世界は慣性の法則が成り立っていないのです。

慣性の法則は慣性系を定義するための法則ともいえます。

Aさんから見た世界を回転座標系ということがあります。
Dさんから見た世界を静止系ということがあります。
Aさんから見た世界やBさんから見た世界を総称して加速度系とか加速度座標系といったりします。非慣性系と同じ意味です。