qO3L7

電車の運転席には様々な計器がある。電車がA駅を出発してからB駅に到着するまで、電車の速さ \(v\)、電車の駆動用モーターに流れた電流 \(I\)、モーターに加わった電圧 \(V\) を 2s ごとに記録したデータがある。図1は \(v\) と時刻 \(t\) の関係を、図2は \(I\) と \(t\) の関係をグラフにしたものである。電流が負の値を示しているのは、電車のモーターを発電機にして運動エネルギーを電気エネルギーに変換しているためである。A駅とB駅の間の線路は、地図上では直線である。車両全体の質量は 3.0×104kg であり、重力加速度の大きさを 9.8m/s2 とする。

図 1
図 2

(問1)\(t\) = 0s から \(t\) = 20s の間、等加速度直線運動をしているとみなしたとき、 加速度の大きさは、およそ 何m/s2 か。最も適当な数値を、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

① 0 ② 0.4 ③ 0.8 ④ 1.2 ⑤ 1.6 ⑥ 2.0

(問2)この電車がA駅からB駅まで走った距離を図1の\(v\)-\(t\)グラフから求めると、およそ 何m か。最も適当な数値を、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 600 ② 1100 ③ 1700 ④ 2500 ⑤ 3500

(問3)qO3L8

(問4)qO3L9

#共テ21追試物理基礎

(問1)図1を見ると \(t\) = 20s のときに \(v\) = 15.5m/s くらいなので、速さを時間で割って加速度を求めますと、

  \(\large\frac{15.5}{20}\) = 0.775 [m/s2]

最も近いのは ③ 0.8 です。

 

 

(問2)走った距離をグラフから正確に求めるのは困難です。選択肢の中から最も近いものを選びます。

走行距離というのは\(v\)-\(t\)グラフにおいて曲線と横軸で囲まれた面積になりますが、

5つの選択肢に示された量をこのグラフに長方形で描き込みますとそれぞれ以下のようになります。

 

① 600m

 

② 1100m

 

③ 1700m

 

④ 2500m

 

選択肢⑤の 3500m というのは描ききれません。

 

①か②が近く、念入りにマスの個数を数えてみると②が近いことがわかります。答えは ② 1100 です。

 

 

(問題文中に『電流が負の値を示しているのは、電車のモーターを発電機にして』とありますが、モーターが発電機になるのはご存知でしょうか。『直流発電機』項で解説していますのでご覧ください。)