球面鏡で反射する光

球面鏡で反射する光

平面鏡による像

光線が鏡に当って反射するとき、その入射角と反射角は等しくなっています。反射の法則です。

平面鏡が映し出す像は、鏡を中心として面対称の位置にあります。形と大きさが同じ(合同)で、鏡からの距離が等しくなっています。

この像は、上下が逆さまになっていないので正立像であり、スクリーンには映らず人間が脳内で想像する像なので虚像です。


球面鏡

鏡面が球面状になっているものを球面鏡といいます。厳密には、焦点を結ぶためには球面でなく放物面でなければならないのですが 詳細については『放物線 - Wikipedia』をご参照ください。もしくは数学の教科書を見てください。

放物面だとこんな感じで、

球面だとこんな感じになってしまいます。

球面でも小さい部分を使えば放物面に近い性能が得られます。

放物面鏡より球面鏡の方が製造コストが掛からず価格が安いそうです。
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、高校物理では球面鏡にも焦点があるとみなします。

球面の内側が鏡になっているものを凹面鏡(おうめんきょう)といいます。反射望遠鏡や太陽光調理器や化粧用拡大鏡などに使われます。懐中電灯や車のヘッドライトの内部の鏡も凹面鏡になっています。パラボラアンテナもそうです。スプーンの内側も凹面鏡に近いです。

球面の外側が鏡になっているものを凸面鏡(とつめんきょう)といいます。狭い交差点のカーブミラーなどに使われます。スプーンの外側も凸面鏡に近いです。


曲面における反射の法則

曲面に当たる光線の入射角、反射角というものがどの部分であるかお分かりでしょうか。

曲線には接線というものがあり、その接線に垂直な法線があり円いはずの地球も我々人間にとっては平面です。人間にとっての上方向が地球にとっての法線の方向です。
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、その法線とのなす角が入射角、反射角です。反射の法則により 入射角=反射角 です。


球面鏡で反射する光

球面鏡で反射する光線は以下のように進みます。

凹面鏡

(1)
光軸に平行な光線は、反射し、焦点Fを通る。上でも説明しましたが、厳密には球面反射では焦点に集まりません。焦点に集めるためには放物面でなければなりません。しかし、放物面であるとすると今度は中心Oというものが無くなります。
球面鏡で像をつくるという話は若干不正確です。
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また、光の逆行により、焦点Fを通る光線は、反射し、光軸に平行に進む。

(2)
球の中心Oを通る光線は、反射し、再びOを通る。円の中心から伸びる線(半径や直径などの線)は円弧に垂直に交わります。入射角、反射角が 0 です。来た道を戻ります。
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凸面鏡

(1)
光軸に平行な光線は、反射し、焦点Fから出たように進む。

また、光の逆行により、焦点Fに向かう光線は、反射し、光軸に平行に進む。

(2)
球の中心Oに向かう光線は、反射し、再び同じ経路を戻る。


球面鏡の焦点は1つ

レンズの焦点はその両側に2つありましたが、球面鏡の焦点は片側に1つです。