2-3-3-2 回折格子  [前項へ] [復習へ] [Home] [次項へ]

ガラス板の表面に1cm当たり数百本〜数千本もの割合で直線の溝を等間隔に刻んだものを回折格子(かいせつこうし←読み方注意、かいせきでもなければかくしでもない)といいます。溝の部分では光は散乱して通りにくく、溝以外の平らな部分を光が通ります。つまり回折格子は、前項のヤングの干渉実験における2つのスリットを多数のスリットに置き換え、間隔 d をとても小さくしたものといえます。そして回折格子におけるこの間隔 d格子定数といいます。

2332-10-1.gif 回折格子の手前からレーザー光線(単一波長の光)を当てると回折格子の後方のスクリーンに干渉じまが現れます。原理は前項のヤングの干渉実験とまったく同じです。ヤングの干渉実験では波源であるスリットが2つだったのに対し、回折格子では波源であるスリットが多数あるので干渉じまはよりくっきりと映ります。またヤングの干渉実験にくらべスリットの間隔 d がとても小さいので干渉じまのしまの間隔が大きくなります。

2332-20-1.gif 回折格子における dλ の関係を求めてみます。

2332-30-1.gif 前項とまったく同じように考えると、隣りあうスリット間の光路差は2332-35-1.gif、この光路差が波長のちょうど整数倍になるとき明線ができ、波長の整数倍に半波長足したようになるとき暗線ができるので

2332-38-1.gif

前項のヤングの干渉実験においては、ここで sinθ ≒tanθ の近似を行ったのですが、それは θ があまりにも小さかったからです。回折格子の干渉実験においてはその必要はありません。

2332-25-1.gif 左図は m =1の明線ができている場面です。1次の干渉じまといいます。

AP=100λ、BP=101λ、で |AP-BP|=1λ
BP=101λ、CP=102λ、で |BP-CP|=1λ
CP=102λ、DP=103λ、で |CP-DP|=1λ
DP=103λ、EP=104λ、で |DP-EP|=1λ


2332-25-2.gif 左図は m =2の明線ができている場面です。2次の干渉じまといいます。
AP=110λ、BP=112λ、で |AP-BP|=2λ
BP=112λ、CP=114λ、で |BP-CP|=2λ
CP=114λ、DP=116λ、で |CP-DP|=2λ
DP=116λ、EP=118λ、で |DP-EP|=2λ


2332-40-1.gif

2332-40-2.gif

上の式では2332-45-2.gifとして定義しましたが、

教科書によっては2332-45-1.gifと定義しているものもあります。その場合左図のようになります。


ここまではレーザー光(単色光)を当てた場合の話でしたが、さまざまな波長の光を含んだ太陽光や白熱電球の光(白色光)を当てた場合、少し異なる干渉じまが現れます。

2332-40-3.gif 明線の条件の式2332-48-1a.gifにおいて同じ m でも波長 λ が異なると角度 θ が変わるからです。λ が大きくなるとsinθ が大きくなります。波長の長い赤はわずかに外側に角度がつきます。( λ が大きくなったので θ も大きくなったのです)。波長の短い青や紫はわずかに内側に寄ります。( λ が小さくなったので θ も小さくなったのです)。











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