2-2-2-2 気柱の振動 [前項へ] [復習へ] [Home] [次項へ]

ビンや缶の口のところに息を吹きかけると音が出ることがあります。これは内部の柱状の空気、気柱固有振動を起こして音を出しているのです。リコーダーやクラリネットなどの管楽器も同じ原理で音を出しています。

前項では弦の振動を考えていましたが、本項では気柱の振動を考えます。気柱には、一方が閉じてもう片方が開いた閉管2222-100-1.GIFと、両端が開いた開管2222-100-2.GIFがあります。両方が閉じた管のことはあまり考えません。音が外に聞こえないし、前項の弦の振動と同じ両端が固定端の振動が起こるだけです。

2222-80-1a.gif 閉管の真ん中付近で1回音を鳴らすと左図のように空気が振動します。右端において、管の口が開いてるのに反射が起こるのは、外気の気圧によるものです。管内の空気が外にもれると管内の気圧が下がり、外気の気圧によって押し戻されます。

左図は固有振動が起こっている場面というわけではありません。定常波ができるようなちょうどいい高さの音を連続的に出さないと固有振動は起こりません。

音波は縦波ですが、2-1-1-3 横波と縦波で説明したように縦波を横波に変換して、それぞれの場合について前項と同じようにして波長と振動数を求めてみます。



(1)閉管の固有振動

閉管において、閉じている方の口、閉端は空気が動けないので固定端となり、定常波における節となります。もう一方の開いている方の口、開口端は空気が自由に動けるので自由端となり、定常波における腹となります。

2222-70-2.gif 片方が節、片方が腹、という制約があるので定常波のパターンは左図のようになります。1/4波長(2222-70-4.gif)が1つの振動を基本振動、1/4波長が3つの振動を3倍振動、1/4波長が5つの振動を5倍振動、…といいます。奇数倍(2n -1)の振動しかできません。閉管は片方が節、片方が腹なので2倍振動、4倍振動というものができないのです。

管の長さが l [m]のときの 2n -1倍振動での波長を求めます。

2222-60-1.gif2222-50-1.gif

次に振動数を求めます。音速を V [m/s]とし、振動数を f 2n -1とすると、2-1-1-1 波動の(2)式より v =f ×λ であるので

これが閉管の固有振動数です。またこの式から 2n -1=1の基本振動とそれ以外のときを比べると

2n -1倍振動の振動数は基本振動の 2n -1倍ということです。あたりまえですが。

他の教科書や参考書では f 2n -1のことを単に f n と表現したり、2n -1を m とし、m =1, 3, 5,…と表現したりしますので、問題を解くときは注意が必要です。ここでは奇数ということを強調したくて 2n -1という奇数らしい表現を使いました。



(2)開管の固有振動

開管は両端の口が開いていて空気が自由に動けるので両端とも自由端となり、定常波における腹となります。

2222-30-1.gif 定常波のパターンは左図のようになります。1/2波長(2222-40-1.gif)が1つの振動を基本振動、1/2波長が2つの振動を2倍振動、1/2波長が3つの振動を3倍振動、…といいます。

管の長さが l [m]のときの n 倍振動での波長を求めます。

2222-25-1.gif2222-25-2.gif

次に振動数を求めます。音速を V [m/s]とし、振動数を f n とすると、2-1-1-1 波動の(2)式より v =f ×λ であるので

これが開管の固有振動数です。またこの式から n =1の基本振動とそれ以外のときを比べると

n 倍振動の振動数は基本振動の n 倍ということです。あたりまえですが。



ここまで(1)、(2)と管の長さが l [m]として話してきましたが、実は実験によると定常波の腹の位置は管の口よりわずかに外にあります。 2222-10-1.gif

ですので実際には 2222-10-2.gif となります。
開管の場合はこれが両端ですから 2222-10-3.GIF となります。

このことを開口端補正といい、l ≒0.6r r は管の断面の半径)という関係があります。しかし開口端補正については無視することも多いので試験等では問題文をよく読んでください。



ここでちょっと話をまとめますと、前項、本項の(1)、本項の(2)と見てきたことによって、固有振動の3パターンを学んだことになります。

 ・両端が固定端の場合 ‥‥前項の弦
 ・片方が固定端、もう片方が自由端の場合 ‥‥(1)の閉管
 ・両端が自由端の場合 ‥‥(2)の開管












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